大手メーカーの多くが人件費や為替の関係から海外に生産拠点を移す中、歯を食いしばって日本に残り、世界品質のシャツを作り続ける会社がある。

大阪市中央区に本社を構え、岡山に縫製工場を持つドゥ・ワン・ソーイングだ。従業員130人、年商約13億2000万円(2018年5月期)。過去10年、黒字経営を続ける優良会社だ。まずは3代目社長の土井順治氏に、ワイシャツの選び方を教えてもらった。

土井順治社長(右)と息子の土井亮介氏(左)。二人三脚で米国市場の開拓に挑む

【会社概要とトップの横顔】 

ドゥ・ワン・ソーイング > 

オーダーシャツのトップ企業。全国650強のセレクトショップ、テーラーと取引があり、オンリーワンのシャツ作りに励む。

土井順治社長 > 

前社長の兄は職人気質で自分は売れる仕組みを追求するタイプ。意見の相違はあるが、シャツではなくファッションを売るんだ、という思いは共通。

「ゴージラインをご存じですか? ジャケットの襟の上部に走っている縫い目のラインです。このラインとシャツの襟の角度が平行だとVゾーンが美しく見えます。ジャケットの襟幅とシャツの襟先幅を合わせるのも基本です」

ファッションに疎い身としては目からうろこの話。まさに襟を正して、独自の経営戦略を聞いた。

「全国650強のセレクトショップやテーラーと取引があります。来店したお客様に、ボディスタイル、襟型、カフス型、ポケット型、生地を選んでいただきます。オーダーを受け、納期まで約2週間で縫製します。単価は1万3000円(税別)と少し高めですが、66年培った縫製技術でお客様にご満足いただけるシャツを作り続けています」

客はクラシコイタリー、ブリティッシュなど7つのボディスタイルから自分に合ったものを選ぶ。サンプルシャツを着用し、首回りのサイズなどを確認。襟の形など約40項目について決定し、店がその情報を工場に送る。工場では、データをCAD・CAM(コンピューターによる設計・製造)に直接反映させ、生産ラインに落とし込む、という仕組みだ。