むらかみ・のりお●1970年京都大学卒業。日立電子、DECなどを経て、2003年にグーグル米国本社副社長兼日本法人社長就任。現在は東京工業大学学長アドバイザリーボード委員などを兼務。(撮影:今井康一)

2000年代前半、「iモード」や「EZweb」が牽引し、日本のモバイルビジネスは世界で先行していた。実際、私が社長を務めていた当時のグーグル日本法人は、モバイル広告の売り上げで全社トップだった。

グーグルに入ったのは03年。ヘッドハンティングで声がかかった。日本法人にまだ10人くらいしかいなかった頃だ。面接で「何で私なんですか?」と聞いたら、当時のCEO(最高経営責任者)だったエリック・シュミットが「あなたは人工知能のことをわかっているでしょう」と。「最近の動向はわからない」と返すと、「自分もよくわからない。だが、あなたはわかったふりができる人だ。若いエンジニアの会社を大人として見守ってくれ」と言われた。