米ロの帝国主義的対立が激化している。端的な例が、1987年に当時のソ連と米国の間で締結された中距離核戦力全廃条約(INF条約)から米国が離脱したことだ。2月2日、ポンペオ米国務長官がINF条約から離脱することをロシア側に正式に通告したと発表した。規定に従ってINF条約は6カ月後に失効することになる。今後、米ロの核軍拡競争が激化する。〈ポンペオ氏は声明で「ロシアが公然と条約に違反する中で、米国が条約に縛られるわけにはいかない」と述べた。条約は地上発射型の中距離ミサイル(射程500~5500キロ)の保有を禁じているが、米国はロシアの新型巡航ミサイル「9M729」の保有が条約違反だと主張している。/ポンペオ氏は今後6カ月間にロシアが完全かつ検証可能な形でミサイルと関連装備を廃棄しなければ、「条約は終わる」と強調した。離脱通告は「米国や同盟国の安全保障を守るための行動だ」と主張した。/一方のロシアは、9M729の射程が条約の対象外の480キロだと主張しており、1月に2回開かれた次官級協議も平行線に終わった。米ロが条約失効までに対立を解消するのは困難とみられている〉(2月3日朝日新聞朝刊)。

もっとも、米国はオバマ前政権時代から、ロシアがINF条約に違反していると主張していた。米国がINF条約から離脱することは、想定の範囲内の出来事だった。

むしろ、米ロの帝国主義的対立を端的に示しているのは、ベネズエラへの両国の干渉だ。率直に言って、ベネズエラは米ロの草刈り場になっている。ベネズエラでは、独自の社会主義政策により経済が破綻した。マドゥロ大統領の独裁への反発が広がり、反大統領派のグアイド国会議長が1月23日に暫定大統領に就任したことを一方的に宣言した。その結果、ベネズエラは二重権力状態になっている。