英国の有権者はなぜ欧州連合(EU)離脱を選んだのか。米国のトランプ現象になぞらえて経済への不満、移民やエリート層への敵意に理由を求める向きは少なくない。だが、これで十分に説明がつくと思ったら大間違いだ。

まず指摘しておかねばならないのは、EU離脱をめぐる2016年の国民投票で離脱を支持した労働党支持者は少数派でしかなかったということだ。反対にロンドン以外の裕福な選挙区に住む保守党支持者は、大多数が離脱に票を投じた。保守党は党員数が減少し、ますますイングランド至上主義に傾いている。どんな政党であれ、党員が減ると主張は過激になっていくものだ。

保守党では党員の高齢化も進んでいる。国民投票では高齢者の多くが離脱を支持したが、若い有権者では残留支持が圧倒的だった。このため離脱派優位の状況はすでに崩れたとする分析も出ている。高齢者が死んでいく一方で、投票年齢に達する若者が増加し有権者のバランスが変わったというのだ。