バレーボール専用体育館。規模は小さくても競合がいない市場を狙った

人口約3万人の田舎町で補助金に頼らない街づくりに挑み、今や年間およそ100万人が訪れる場所を作り上げた。それが岩手県紫波(しわ)町の公民連携事業「オガールプロジェクト」だ。オガールは、成長を意味する方言「おがる」とフランス語で駅を意味する「Gare(ガール)」を組み合わせた造語だ。

JR盛岡駅から電車で約20分。紫波中央駅前にある10.7ヘクタールの町有地に、図書館や産直販売所、飲食店、診療所などが入る官民複合施設「オガールプラザ」や、日本初のバレーボール専用体育館、宿泊施設などを備える「オガールベース」、町役場などが立ち並ぶ。2011年から順次、完成した。一見すると箱モノ行政の典型に映るが、ほかと何が違うのか。

プロジェクトの特徴の1つは、商業を起点とした街づくりをしなかったことにある。商業施設では、一時的ににぎわっても客はやがて盛岡市に流れるだろう。

そこで時代が移り変わっても人が集まる施設として、図書館と町役場を中核に据えた。人が集まれば、飲食業などがおのずと出店し、街の価値が高まるという考えだ。