宮崎発の「九州パンケーキ」。イオンモール宮崎内の店舗

衰退する地方をどう活性化するか。地方の経済振興を図ろうとするとき、地元の農産物は時に強い武器になる。いわゆる6次産業化(1〜3次産業の掛け合わせ)の成功例が、宮崎発の「九州パンケーキ」だ。

九州の地元食材にこだわったパンケーキ(ホットケーキ)が好評で、同名のカフェは九州に5店舗、台湾とシンガポールに1店舗ずつ。家庭向けのパンケーキミックス(ホットケーキ粉)はネットや関東の一部スーパーで販売されている。農産物の高付加価値化の成功例として、食品業界関係者からも注目されている。

ある平日の昼下がり、宮崎市内のイオンモールの一角にある、九州パンケーキの店舗。ほのかな甘い香りに包まれた店内では、客の女性たちがフルーツやホイップクリームで彩られたパンケーキを口にし、笑顔を見せていた。

「徹底的に九州にこだわった」。九州パンケーキを開発した有限会社一平の村岡浩司代表取締役の言葉どおり、大分産の小麦を中心に、宮崎産の発芽玄米、鹿児島産のうるち米、福岡産の赤米など九州各地の素材を用いた。雑穀の風味が感じられる、ふわふわでもちもちの食感が好評だ。

いくつもの素材を組み合わせる食品では産地を特定することが難しくなる。だが、村岡氏自身が九州中を駆け回り、生産者と直接交渉して原料を確保したためすべてトレーサビリティーがある。