国民が心の支えにしている神話はどんな国にでもある。米国なら「アメリカンドリーム」がそんな神話の1つだ。「丸太小屋からホワイトハウスへ」という言葉に象徴されるように、出自とは関係なく、個人の能力や努力次第で誰もが成功者になれるとする考え方である。

日本は、これとは反対に封建的な国だといわれることが多い。なるほど、政界に目を向ければ、首相を筆頭に世襲議員のオンパレードだ。しかし現実を子細に眺めてみると、様相が違ってくる。実はいろいろな点でアメリカンドリームの理想に近いのは、本家本元の米国ではなく日本なのだ。

どういうことか。経済協力開発機構(OECD)が発表した「社会階層のエレベータは壊れているのか? 社会的流動性を促進する方法」という報告書に興味深いデータが出ている。親の財産や地位が子ども世代にどの程度引き継がれるかを調べたものだ。