週刊東洋経済 2019年2/16号
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混雑するし、遅れも多い──。“痛勤”の象徴だった通勤電車が進化している。自動運転の実験を開始するなど、安全面・サービス面を改善するための設備投資が拡大しているのだ。

背景には、人口の変化を踏まえた鉄道会社間の競争激化がある。日本全体の人口は減少に転じた。が、東京は別。流入者が増え、2030年まで人口増が続くとみられている。沿線の魅力を高めて人を呼び込めれば、鉄道利用者をさらに増やすことができる。

ただ、沿線人口が増えても、通勤事情が悪ければ魅力は半減する。東京も、いずれは人口減少期が来る。ほかの路線より評価を高められるよう、鉄道各社は投資を加速しているのだ。

混雑や遅延が少なく、利便性の高い“最強の通勤電車”はどの路線か。本誌は東京圏を走る主要32路線について、混雑率改善度など7つの指標を基に独自評価した。

1位は小田急小田原線 複々線化で混雑が減る

総合1位は小田急小田原線。約30年かけた複々線化が完了し、18年3月のダイヤ改正後、運行本数が増加。混雑率が大きく改善した。特急ロマンスカーを活用した通勤ライナーの本数も多い。

2位は東武伊勢崎線。北千住─北越谷間が複々線で、運行本数首位。朝ラッシュ時の速度も比較的高く、遅延発生日数も少ない。

3位には京急本線、京成本線、JR常磐線快速の3路線が並んだ。京急は遅延発生日数5位、混雑率6位、混雑率改善度は12位、運行本数8位など突出した指標はない。が、順位の悪い指標がなくバランスのよさが高順位につながった。

京成は混雑率2位、混雑率改善度4位。10年間で輸送力は変わらず、利用客が若干減っている。「10年に開業した成田スカイアクセス線に利用者が流れたのではないか」と京成側は説明する。輸送力増強の必要性が薄いせいか、運行本数や輸送力では下位にランクされる。常磐線快速は朝ラッシュ時の速度が2位。時速130キロメートルの高速運行が可能な列車を多数投入していることも奏功した。

ランキング最下位はJR横須賀線。朝ラッシュ時の速度と通勤ライナーの本数は3位だが、混雑率196%はワースト3位。武蔵小杉駅から都心に向かう利用者が急増し、輸送力が追いついていない。運行本数が少ない理由は、同じ線路を湘南新宿ラインも使っているから。19年度には相鉄線との相互乗り入れが始まる。