川崎市消防局によるシャープ製太陽光パネル火災事故の実況見分(2016年4月、写真は住民提供)。屋根の一部が焼損した

住宅火災の危険性が指摘されている太陽光パネルについて、大手家電メーカーのシャープが一部機種を対象に“自主的リコール(製品回収)”を進めていることが、本誌の取材で明らかになった。

消費者庁の消費者安全調査委員会(消費者事故調)は1月28日、住宅用太陽光発電設備による火災事故に関する報告書を発表。パネルが発火し、住宅火災につながっている事例が全国で報告されていることや、火災事故の検証結果、再発防止策の提言内容を明らかにした。ただ、パネルのメーカー名や型式を公表しておらず、ユーザーにはわかりにくい内容になっている。

そこで本誌はパネルメーカーやハウスメーカー大手各社に、対応策などを問う質問状を送付。これに対しシャープは、同社製の太陽光パネルが設置されている住宅のうち745棟を対象とした無料点検を実施し、そのすべてについて同社の費用負担でパネルの交換を進めていることを明らかにした。シャープは「自主的なリコールに相当するものと考えている」と回答した。

住宅用の太陽光発電設備が引き起こす火災事故の危険性について、本誌は昨年9月22日号で「シャープ製パネルで相次ぐ火災事故の深層」と題した記事を掲載。2018年までの7年間に同社製パネルで10件の火災事故が消費者庁に報告されている事実を報道し、法律に基づくリコールの必要性を指摘した。

だが、当時のシャープは発火の詳細なメカニズムが特定できていないとの理由で、取材に対し「一律の製品回収は必要ない」と回答。同社製パネルを多く設置していた積水ハウスもリコールには消極的な姿勢を示した。それから4カ月後、シャープは自主的リコールを実施中だ(ただし経済産業省や消費者庁のリコール情報サイトには2月4日現在未掲載)。