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津賀パナソニックの誤算と危機感 トヨタ子会社に電池を移管

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テスラ向け供給に誤算が生じる中、車載電池の位置づけも曖昧になっている。

トヨタとの合弁設立を発表する約2週間前、津賀社長はテスラの北米電池工場でイーロン・マスクCEOと面会し、今後の方針を話し合った(撮影:今井康一)

パナソニックとトヨタ自動車が、車載用電池事業での協業を検討すると発表してから1年余り。1月22日、両社は2020年末までに合弁会社を設立すると発表した。

新会社は、EV(電気自動車)やPHV(プラグイン・ハイブリッド車)などに搭載する高容量の電池を開発・生産する。現行のリチウムイオン電池より安全性や走行距離などで優れている全固体電池の開発も、共同で手がける。

両社が合弁会社をつくること自体は既定路線だが、今回の協業は2つの点で業界関係者らの驚きを呼んだ。

第1に、新合弁はパナの車載電池事業のうち、後述する米テスラ向け以外の事業を丸ごと移管すること。新会社にはトヨタとパナから合計約3500人が移籍するが、約3000人はパナの社員だ(工場人員含む)。工場も国内3拠点に加え、米フォードやホンダ向けのリチウム電池を生産している中国・大連の拠点が新会社に移る。

トヨタが過半を出資

もう1つの驚きは、パナがこれほどまでに新設合弁に多くのリソースを供出するにもかかわらず、トヨタが出資比率の過半(51%)を握ることだ。

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