宇宙の覇者 ベゾスvsマスク (クリスチャン・ダベンポート 著 黒輪篤嗣 訳/新潮社/2300円+税/398ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

【著者プロフィル】Christian Davenport/米ワシントン・ポスト紙の記者を務め、近年は金融デスクとして宇宙・防衛産業を担当。外傷性脳損傷の退役軍人を扱った作品でピーボディ賞を受賞しているほか、所属する取材チームはピュリッツァー賞の最終候補に3度選ばれている。

アポロ計画から50年ほどたった今、宇宙開発は明らかに停滞している。

アポロ11号の月面着陸ミッション当時のNASA管制室スタッフの平均年齢は26歳。恐れ知らずの若者たちが活躍する活気ある組織であった。しかし、今の平均年齢は50歳ほどで、リスクを避けようとする傾向が強く、官僚気質の組織へと変貌している。

加えて、ロッキード・マーティンとボーイングの2社が政府からの受注を独占、技術革新は停滞し、複雑怪奇な契約システムにより、開発コストが異常なほど高くなっている。それが宇宙開発の停滞している原因だという。

このような状況に業を煮やした大富豪が2人いた。1人は電子決済システム「ペイパル」で富を築いたイーロン・マスク、もう1人はネット通販会社「Amazon」の創設者ジェフ・ベゾスだ。