高機能シャツや幅広い価格帯のスーツが並ぶ、はるやま五反田店(撮影:今井康一)

ピークの4分の1──。家計におけるスーツへの年間支出額を1991年と現在とで比べた数字だ。縮小の一途をたどる国内スーツ市場では、大手スーツ量販店が百貨店や総合スーパー(GMS)から顧客を奪い、シェアを広げてきた。だが、スーツ量販店の経営戦略がここに来て岐路に立たされている。

軒並み最終赤字

業界最大手の青山商事、2位のAOKIホールディングス、4位のはるやまホールディングスが昨年11月に発表した2019年3月期の中間(4~9月)決算は、いずれも最終赤字だった。本業のスーツの販売が振るわず、収益性の厳しい店舗の減損損失もかさんだ。決算期の異なる3位のコナカも、18年9月期は最終赤字に沈んだ。

青山商事の既存店売上高は、昨年4月から12月までの累計で前年同期比4.1ポイント減少。残り3社も客数減が響き、前年割れが続く。コナカを除く3社の既存店の落ち込み度合いは、確認できる過去8年間においては、消費増税のあった14年度に次ぐ厳しい水準だ。

スーツへの出費は減り続けている。総務省の家計調査では、1世帯当たりのスーツへの年間支出額は91年に1.9万円だったが、00年には1万円に減少。17年は5217円にまで減った。

最大の要因は、少子高齢化による労働人口の減少とカジュアル化だ。とくに環境省が05年に始めたクールビズ、「07年問題」ともいわれた団塊の世代の退職の影響は大きかった。