中国は宇宙空間での「暗黙の了解」を破った。写真は天安門広場に展示されたDF-21ミサイル(ロイター/アフロ)

1月17日、米国のトランプ大統領が、同国のミサイル防衛強化をうたう新戦略「ミサイル防衛見直し(MDR)」を発表した。MDRには北朝鮮との部分的合意に備える側面もあるかもしれないが、米国が本当の脅威だと考えているのは中国だ。

中国中央電視台(CCTV)は、昨年後半から、極超音速飛翔体の発射実験を、その性能や開発状況と併せて大きく報道している。

中国の極超音速飛翔体は、DF-17弾道ミサイルで打ち上げられ、宇宙空間で切り離された後、マッハ5以上で飛行する。この速度で運動する物体を探知し撃墜することは、現在のミサイル防衛システムでは極めて困難である。通常兵器だが、破壊力は核爆弾並みといわれている。

米国自身も極超音速兵器を開発してきたが、その目的は異なる。米国は、海外の前方展開基地を縮小する代わりに通常兵力による抑止力として、米国本土から発射して世界中どこでも1時間以内に攻撃できる兵器を開発しようとしたのである。