病院淘汰の時代、病院も一般企業と同じようにビジネス感覚が求められる。地域の医療ニーズを敏感にくみ取り、地域マーケットの変化に対応することが病院の持続性を高める。データの活用や経営を担う人材の育成によって、改善に取り組んでいる病院を紹介する。

CASE1  旭川赤十字病院(北海道)

医療系職員にも経営を学ばせる

旭川赤十字病院は将来を見据え、経営がわかる人材の育成を行っている。

2014年から経営の基礎知識やデータの読み方を職員に教育している。講習は1年にわたって行われ、経営に直接携わっている事務系だけでなく、看護師や薬剤師など医療系の職員も参加するのが特徴だ。

医療系の職員は、患者のために医療の質を高めることを重視する結果、無駄なコストを増やしてしまいやすい。旭川赤十字病院では医療系職員にも経営を学ばせることで、現場にどれだけ無駄が生じているのかを理解させ、改善を図ろうとしている。

病床運営の議論をする旭川赤十字病院の看護師

「赤十字病院のような公的病院は公立や民間よりもさらに経営が苦しい」

牧野憲一院長はこう話す。公立病院のような自治体からの繰入金はなく、給与は公立に準じているため民間のように賃金カットでコストを抑えることが難しい。

「当院はおよそ60%が人件費。それを超えると赤字だ」(牧野氏)。旭川赤十字病院では、看護師の新規採用を減らすなどして人件費を抑制しているが、現在も赤字が続いている。採算をさらに改善させるには、組織全体の効率化が欠かせない。