(OrangeMoon / PIXTA)

非営利が原則の病院でも、診療の質を保つためには収益性を無視できない。そこで本誌は主要病院の財務内容を運営者ごと(医療法人、国立大学付属病院、自治体病院)に比較してみた。

まず医療法人を対象にまとめたのが下表である。売上高上位50法人を対象に、営業利益率と自己資本比率を算出した。

首位の徳洲会、2位の沖縄徳洲会、10位の木下会は同じ徳洲会グループだ。日本最大の医療法人グループであり、50法人の中でも総じて利益率が高い。とくに木下会は利益率、自己資本率ともに突出している。木下会が運営する千葉西総合病院は、心臓病治療に強く心臓血管外科の手術数は全国トップ級だ。高い医療収入につながる患者の集客力が収益力につながっている。

規模の経済も働いている。徳洲会グループは人材を融通し合うことで人件費を抑え、消耗品などの共同購入によって材料費も抑えている。全国公私病院連盟の調査によると、規模が大きい病院は総じて財務の安定性が高く、規模の小さい病院ほど人件費と設備費負担が重く赤字が膨らむ傾向がある。

一方、千葉県鴨川市で亀田総合病院を運営する鉄蕉会(てつしょうかい)は、利益が低調だ。鴨川市とその周辺は人口が減り続けており、急性期の患者確保に陰りが出ている。近年には亀田総合病院グループで賞与引き下げが行われた。

売上高32位の近森会が運営する高知県高知市の近森病院は、市内の民間病院の中では知名度があり、救急医療やリハビリテーションに強い。しかし高知市は大学病院や日赤病院のほかにも多数の民間病院があって過当競争が起こっており、収益に影響している。