中国の習近平国家主席は経済政策で二兎を追う(昨年12月26日、党中央政治局の会議で)(Avalon/ 時事通信フォト)

北京在住の友人は、同市内に保有するマンションの価格高騰ぶりにご機嫌だった。投資用にローンで買った物件が数年で3倍以上、日本円で1億円近くまで値上がりしたという。

ただ、相場はもう天井とみており、「売った金で日本のマンションを買いたい」と話していた。経済の変調を感じて富を海外に移そうとする動きは、堅実な勤め人にまで及んでいた。

今や中国経済の減速は明らかだ。1月21日に発表された2018年の経済成長率は実質で前年比6.6%増。28年ぶりの低水準とあって、海外では大規模な財政出動が期待されている。

その期待が大きいのは、08年9月のリーマンショック後に中国が行った総額4兆元(当時のレートで56兆円)の景気対策の印象が強かったせいだろう。だが中国には、あの政策が経済の投資依存を深め、事業主体の企業も地方政府も借金漬けにしたとの反省がある。

中国の非金融部門の債務は昨年6月末時点でGDP(国内総生産)比253.1%にのぼる。この数字は08年6月末には140.2%にすぎなかった。最近は不動産価格の高騰に伴って住宅ローンが拡大し、家計の債務も膨らむ。