あいざわ・たかお/1973年東京慈恵会医科大学卒。長野県にある相澤病院CEO(撮影:今井康一)
全国の約2500病院が加盟する日本病院会は、現在の医療提供体制を見直し、抜本的な改革が必要だとしている。相澤孝夫会長に日本の病院の未来像を聞いた。

 

──なぜ今、日本の病院は改革が必要なのですか。

人口減少で生産年齢層の患者が減り、70歳以上の患者が増えている。つまり、今までのように高度医療を必要とする重症患者は減り、長期的な療養が必要な高齢患者の需要が高まっている。しかしそれに対応する供給体制が構築できていない。

病院組織に欠如しているのはマネジメントだ。それは地域の需要に合った供給をすること。多くの病院は地域のマーケットを把握できていない。例えば胃がん患者が相対的に少ない地域で胃がん治療の体制を敷いても需要がない。子どもが減っているのに子ども服を売っても売れないのは当たり前だ。

需要に合わない供給体制の病院に国が多額のお金を出して支援してきたが、ついに財政が立ち行かなくなった。供給体制の根本的な見直しは必須だ。これはバブル崩壊のときから指摘されてきたが、医師会などの利害関係者が障壁となり議論が先延ばしになっている。

──国は地域医療を充実させる「地域医療構想」を掲げています。都道府県に対して、2025年時点での必要な病床数を算出し、医療体制を見直すように促しています。