計画凍結を発表する東原社長。どこかサバサバした表情だった(撮影:尾形文繁)

相場の格言に「見切り千両、損切り万両」がある。含み損がある投資のさらなる損失拡大を防ぐため、見切って損切りする重要性を教えるものだ。

日立製作所は1月17日、進めてきた英国での原子力発電所新設計画「ホライズンプロジェクト」の凍結を正式に決定した。

この決断に伴い、日立は今2019年3月期決算で、これまでプロジェクトに投じてきた費用を中心に3000億円の損失を計上する。今期の純利益見通しは従来の4000億円から1000億円へと、大幅な下方修正を余儀なくされた。

記者会見で「どこで経営判断を間違えたのか」と問われた東原敏昭社長は、「今の時点で凍結ならそれほど経営判断は間違っていない」と強調。すぐに「3000億円(という損失)は重く受け止めている」と付け加えたが、普通の企業なら経営危機に陥るほどの巨額損失にもかかわらず、謝罪会見の様相は見られなかった。

もっと早く決断していれば、損失を減らせたのでは──。ホライズンに手を出したこと自体が間違いだったのでは──。言い出せばきりがない。ただ、最終投資判断を行うとしていた19年早々での損切りは、“賢明”な判断といっていい。