白人優位主義が高まる中、ワシントンDCで人種差別反対集会が開かれた(ロイター/アフロ)

トランプ大統領の誕生と、その根強い支持者らをめぐっては、中西部のラストベルト(さび付いた工業地帯)で置き去りのままにされた白人労働者階級による既成政治への怒りという「物語」が語られてきた。

そうした階級に生まれた悲哀と、そこから抜け出した自身の経験をつづった『ヒルビリー・エレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たち』(邦訳・光文社)のような本が、トランプ支持者らの実態を知りたいという人々の要求に応え、次々とベストセラーになった。彼らが黒人や中南米系移民に反感を抱くのは、経済的不安が背景だという「道理」が暗に語られた。

これに対し、トランプは「白人優位主義」を前面に出して勝利した初めての米国大統領だと断じる反論をぶつけたのが、著名な黒人ジャーナリスト、タナハシ・コーツだ。「経済的不安こそが、人種的反感を生み出している」という見方に対し、それは人種差別の実態を覆い隠していると批判した。