日本銀行の黒田東彦総裁は2013年に就任。国債買い入れを増額した14年の追加緩和は「バズーカ砲」と言われた。16年にはマイナス金利政策を導入。その後も手を講じているが、2%の物価上昇率目標は達成できないままだ(撮影:尾形文繁、今井康一、大隅智洋)

周回遅れ──。日本銀行の置かれた状況がそれだ。

FRB(米連邦準備制度理事会)とECB(欧州中央銀行)が金融緩和を終了、正常化へと舵を切る中、日銀はそのメドすら立っていない。2013年から2年間の短期決戦を前提に開始された異次元緩和。そのもくろみは外れ、5年以上続いてきたが、2%の物価上昇率目標は遠く、出口は見えない。

国債の膨大な買い入れを通じた金融緩和の長期化は、副作用として金融市場にひずみをもたらし、金融機関の収益を圧迫している。とりわけ地域金融機関は、人口減少などで資金需要が細る中、低金利環境での競争が激化している。金融庁の発表によれば、預貸業務と手数料の利益を本業の利益と見た場合、17年度の決算で貸し出しなど本業が赤字の地方銀行は106行中54行と、過半数にも上る。

リーマンショック前、日本の地銀は1990年代のバブル崩壊の後遺症で、取っていたリスクも限定的だった。だが、足元では低金利下で何とか収益を確保しようとした結果、過度なリスクを蓄積しているおそれがある。