佐藤ゆかり(さとう ゆかり)/1961年生まれ。1998年ニューヨーク大学大学院修了、経済学博士号取得。日興シティグループ証券経済市場調査部エコノミスト、JPモルガン証券経済調査部シニアエコノミスト、クレディスイス証券チーフエコノミスト兼経済調査部長を経て政界へ。2005年に自民党から衆議院議員に立候補し初当選、現在3期目(参院院議員も1期)。党副幹事長、経済産業大臣政務官などを歴任し、18年10月から総務副大臣兼内閣府副大臣(第4次安倍改造内閣)。

情報通信の重要性が増していく中で、アメリカが中国のハイテク産業に対する排除姿勢を強めている。根底にあるのは、「中国が情報を盗み出している」という強い疑念だ。アメリカは昨年8月に成立した国防権限法で今年8月以降、中国の通信機器大手ファーウェイ(華為技術)など5社からの部品や製品の政府調達を禁止する方針を決めた。

そうした中で日本政府も、徐々に規制へと動き出している。昨年12月には、政府機関の通信機器の調達指針を定め、情報漏洩など安全保障上のリスクがあるものは導入をしない方針を打ち出した。名指しこそ避けたが、ファーウェイをはじめとする中国企業が念頭にあるとされる。民間に対しても、重要インフラ14分野には注意喚起をしていく方向だ。一方で、ファーウェイなど中国のハイテク企業との取引関係がある日本企業は多く、こうした政策による影響も懸念されている。総務省副大臣として情報通信政策を担当する佐藤ゆかり氏に、考えを聞いた。

中国の国家情報法は「やりすぎ」

──あらゆる産業や生活の基盤を支える情報通信技術の重要度が増していく一方、世界的に防衛政策の観点が重要視され始めています。

まず、今置かれている状況からお話ししたい。2019年は(次世代通信規格の)5G元年で、携帯電話各社のプレサービスが始まる。同時にAI(人工知能)や放送の新4K・8Kの高精細な画像といったものを組み合わせて、日本のモバイル市場にとってのビッグバン元年にしたいと思っている。AIには大量のビッグデータが必要だが、その中で、データの各国間の取引やセキュリティ、個人情報のあり方、共有の仕方が課題になってきている状況がある。

5Gの時代になると、ビッグデータを一瞬で伝送することが可能になる。5Gは、4Gの伝送能力の20倍、実行能力でいうと100倍にもなるといわれている。逆に言えば機密情報のデータも、例えば防衛関係のデータから医療関係の個人情報、あるいは地方自治体が持っている住民関係の情報まで一瞬にして伝送され、漏洩するリスクがある技術分野になってくる。新しい時代に技術を有効活用する一方で、デメリットのリスクに対しきちんと対策を事前に講じておくことが喫緊の課題だ。

──日本政府は昨年12月、政府機関の調達に関する申し合わせを出しました。重要インフラを担う14分野についても、同様に注意を促していく方向になるようですがこの背景は。