バンコクに住む知人から怖い話を聞いた。知人にはインターナショナルスクールに通うお孫さんがいる。高校1年生の彼女は活発なお嬢さんだが、彼女と親友の2人にSNS(交流サイト)のいじめが襲いかかった。あられもない合成写真がネット上にばらまかれたのは序の口で、彼女がその親友に出したとされるメールが拡散した。「バラバラに切り刻んでやる」とか、ゾッとする文句が並んでいた。

周到なのは、メール発信者のIPアドレスがお嬢さんのものだったこと。IPアドレスを盗み取り、本人になりすましてフェイクを拡散する。破壊力は絶大だ。否定すればするほど、IPアドレスが決め手となり、「そういう人だったの」という視線が突き刺さる。2人の友情は壊れ、お嬢さんは転校を余儀なくされたという。

バンコクのお嬢さん一人の悲劇ではない。わが国の文部科学省によれば、2017年度の全国小中高校でのいじめは41万件と過去最多。うちネットのいじめは1.2万件とこれも過去最多になった。ネットいじめは陰にこもる。実際の被害はこんな数字では収まるまい。