もりた・ちょうたろう●慶応義塾大学経済学部卒業。日興リサーチセンター、日興ソロモン・スミス・バーニー証券、ドイツ証券、バークレイズ証券を経て2013年8月から現職。日本国債市場での経験は通算で20年超。グローバルな経済、財政政策の分析などマクロ的アプローチに特色。(撮影:大澤 誠)

株価の変動は年が替わってようやく収まってきたが、日米で高値から20%前後に達する大幅な株価の下落に対しては、「なぜこれほど下げたのか」との声が市場では多く聞かれた。株価だけでなく、米国債10年利回りはピークから一時0.7%ポイントも低下し、日本国債10年利回りもマイナス0.05%をつけた。各市場で、「なぜここまで」という声が多かった。

市場参加者の多くがこの大きな市場変動に違和感を持ったのは、足元の経済指標が先進国、新興国ともにまだそれほど大きく崩れていないためであろう。株式に関して言えば、企業業績に大きな変調を来しているわけではなく、バリュエーション指標は軒並み株価の割安さを示すものとなっている。

これに対して、「株価は実体経済に先行するので、先行きの景気後退を示唆しているのだ」という主張もある。しかし、株価の先行性といっても、景気指標に対して半年も1年も先行するようなものではない。