スマートフォンで注文をすると、店舗から半径3km以内であれば30分以内に無料で商品が届く──。

これは、京東(ジンドン)集団が運営する食品スーパー「7FRESH(セブンフレッシュ)」が提供するサービスの1つである。

今ジンドンが力を入れているのは、「無界小売(ボーダーレスリテール)」と呼ぶ、ネットと実店舗と物流を融合させたビジネスだ。自社で手がける食品スーパーや無人スーパー、ロボットレストランなどを組み合わせ、消費者がいつでもどこでも快適に買い物できる環境づくりを進める。

とくに生鮮食品は、「中国で成長性が高い分野」といわれる。中国で生鮮食品は、青空市場などで買われる傾向にあった。青空市場では取れたての野菜や生きた鶏など新鮮な食材が並ぶ。他方、食品スーパーは店内が暗く、食材の鮮度も市場に比べて低いとみられていた。

だが、市場に行くよりも、「近場の食品スーパーで日用品と一緒に生鮮食品を買いたい」という消費者の需要は高かった。そのため8年前ぐらいから生鮮食品に力を入れる食品スーパーが出始めた。トレーサビリティー(産地、流通経路などの追跡調査)などを徹底するといった取り組みも進め、徐々に新鮮な食材を提供できるようになった。