大阪市の「ミナミ」といえば、大阪を代表する繁華街だが、ミナミという地名があるわけではない。ミナミは同市の中央区と浪速区にまたがるエリアにあり、道頓堀、難波、千日前近辺の繁華街を指す。この付近の宗右衛門町、九郎右衛門町、櫓(やぐら)町、坂町、難波新地はかつて「南地五花街」と称された。戦後、花街は姿を消し、代わって劇場、映画館、バー、キャバレー、飲食店などが立ち並ぶようになったのだ。

ミナミと聞いて多くの日本人が思い浮かべるのは、道頓堀川に架かる戎(えびす)橋だろう。戎橋のたもとにあるグリコやかに道楽の巨大な看板やドン・キホーテのど派手なネオンが瞬くさまは大阪名物だ。プロ野球の阪神タイガースが優勝した年は、歓喜のあまり多くのファンが戎橋から川に飛び込むさまが全国的に話題となった。

千日前と道頓堀川に挟まれたエリアには、水掛不動尊で有名な法善寺がある。この寺で水かけをして願をかけると、商売繁盛や恋愛成就につながるといわれ、地元民に親しまれてきた寺である。