FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣 (ハンス・ロスリング、オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロンランド 著/上杉周作、関美和 訳/日経BP社/1800円+税/400ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

Hans Rosling / 1948〜2017年。スウェーデン出身の医師、公衆衛生学者。モザンビークにて神経がマヒする病気「コンゾ」を発見し、博士号を得る。スウェーデンで国境なき医師団を立ち上げる。息子オーラ、妻アンナとともにギャップマインダー財団を設立し「事実に基づく世界の見方」を広めた。

世界はどんどんよくなっている。ウソだと思うかもしれないが本当だ。実際に世界の人口のうち、極度の貧困状態にある人の割合は、過去20年で半分になった。そして、自然災害で毎年亡くなる人の数は、過去100年で半分以下にもなった。

この数字自体かなり驚くべきものであるが、さらに驚くべきなのは、この事実を3択問題として出題した時の正答率が、いずれも10%を下回ったことである。これを、単なる知識不足と片付けてよいのだろうか?

本書は、世界に対する認識と実態との間におけるさまざまなギャップを提示し、先入観にとらわれず世界を見ることの大切さを訴える。さらにその原因を脳の機能に求め、人が世界を実際よりもドラマチックに見てしまうことを明らかにしていく。

著者は医師であり、そして公衆衛生の専門家でもあるハンス・ロスリング氏。彼は、このギャップを生み出す人間の本能を10種類に分類し、どのようにすればそのバイアスを克服できるかを説明する。

たとえば「分断本能」。人は誰しも、さまざまな物事や人々を2つのグループに分ける傾向にある。もちろんその分け方は、自分が所属する「わたしたち」とそれ以外の「あの人たち」である。これを回避するためには、世界を2つのグループに分けるのではなく、特定の指標に基づいた4つのグループに分けることが有効であるという。