楽天を率いる三木谷氏は通信参入プロジェクトを「神がかりのショット」と言う。その真意とは?(撮影:梅谷秀司)
2019年、楽天は新たなる挑戦を始める。「自前回線」によるモバイル事業への参入だ。2025年までに6000億円規模の設備投資を実施し、1500万契約を目指す。はたしてドコモ、KDDI、ソフトバンクに続く第4の通信会社として食い込めるのか。その狙いと勝算を明かす7000字ロングインタビュー。

 

──創業20年目の18年12月期は売り上げ1兆円を突破する見通しです。

売り上げ1兆円、取扱高15兆円という規模になりました。

──eコマースと決済分野で強い基盤を築いたわけで、ここで満足するのが普通の経営者かもしれない。しかし14年に他社回線を借り受けて通信事業に参入、19年10月には自前回線でのサービスを開始します。強い3社がいる中でうまくいくのでしょうか。

楽天はこれまでもずっと厳しい見方をされてきましたよね。97年に楽天市場を始めたときも、こんなもの成功するはずがないという意見が強かったと思います。

2000年の株式公開後に国内信販やイーバンク銀行を買収して金融事業に進出した際にも厳しい反応ばかりだった。でも、われわれのフィンテック部門は世界トップと言ってもいいぐらいになったわけです。

新しい事業に参入すると、一般の人は「何で楽天はいつもリスキーなところに出て行くの?」というふうに考える。プロ野球球団を買収したときもそういう反応でした。僕にとっては、リスクどころかチャンスにしか見えない。これほど大きなチャンスはないと思って参入したわけです。

──モバイル通信の分野にもチャンスが到来しているということでしょうか。

そうです。まず、すごく大きな技術革新が起きているにもかかわらず、日本国内だけでなく世界中の通信事業者は、1世代どころか2世代も3世代も古いアーキテクチャーでビジネスを展開している。だからこそ、まったく新しいテクノロジーを持っているわれわれが勝負できるのです。