誰もがそんなことは起こりえないと思っている事象を表す言葉に「ブラックスワン」がある。2019年にブラックスワンは登場するのか。例を挙げてみる。

1羽目のブラックスワン。米中間の通商協議が決裂し、中国から米国への輸入品全体に関税がかかり、米中両国の景気にさらなる下押し圧力が加わる。これがアジア、中南米により深刻な影響をもたらし、新興国リスクが顕在化する。半導体関連製品に関税がかかるため、株式市場の好調を支えてきたIT関連企業の株価が総崩れ、株価指数も大きく低下する。

2羽目のブラックスワン。英国のEU(欧州連合)離脱交渉が時間切れとなり、「合意なき離脱」に陥る。労働者の大規模なデモ活動である「黄色いベスト運動」の過熱により、仏マクロン政権が退陣に追い込まれる。レームダック化する独メルケル政権の後の体制が定まらないまま、5月の欧州議会選挙に突入、ポピュリズムの空気が蔓延して定着。イタリアの財政問題も含め、欧州の混乱がリスクオフに拍車をかける。