金融庁に創設時から関わり、不良債権問題解決の陣頭指揮を執った元金融庁長官が、平成の金融行政を振り返る。

ごみ・ひろふみ●1972年大蔵省入省。97年金融監督庁設立準備室主幹。検査部長・局長、監督局長などを歴任した後、2004年7月に第4代金融庁長官就任。現在は西村あさひ法律事務所顧問。(撮影:尾形文繁)

金融庁の誕生は、本をたどれば住専問題がきっかけだった。住宅金融専門会社という一金融機関の救済に巨額の税金をなぜ投入するのか、詳しい説明がない、と国民の不満は爆発していた。批判は大蔵省の金融行政に向かった。財政政策も金融行政も統括する大蔵省の巨大な権限が、不透明な経緯での決定を正当化したのではないかという批判だ。国会でも連日問題となった。より透明度を高めるような組織形態が必要だ、と財政当局と金融行政とを分離する案が政治的に決定されていった。