フランスでは昨年11月中旬以降、「黄色いベスト運動」と呼ばれる大きなデモが発生し、週末ごとにパリなど各地で激しい騒乱が起きている。黄色いベストは路上での作業時に着用する安全用ベスト。安価で目立ち、労働者を代表する服であることからデモ参加者のシンボルとなった。

騒乱のきっかけは、エネルギー高などで低所得層の生活が圧迫されている中、燃料税増税案が発表されたことだ。景気に勢いがなく、失業率低下が止まったというタイミングも悪かった。

しかも、マクロン仏大統領は資産税(ISF)廃止や法人税率引き下げを進めている。富裕層や大企業を優遇しているとの批判も多く、所得格差拡大への不満と重なり、増税への抗議運動は一気に反マクロン運動へと広がった。

12月に入りマクロン政権は、燃料税増税の取りやめ、最低賃金の大幅引き上げ、低所得年金生活者の社会保障負担増の撤回、年末に支給されるボーナスと残業代への非課税などを軸とする政策を発表。庶民の懐を温かくする大盤振る舞いの政策で、とりあえず不満は沈静化に向かいそうだ。