老人を外国人が介護する光景は、台湾では日常的なものだ

2018年12月16日、日曜日の台湾・台北駅。広い構内にはインドネシアなど東南アジアからの労働者が約500人集まった。毎週日曜日になると、休みの外国人労働者が集まってくる。イスラム教の祝日で、ラマダン月(断食月)の終わりを祝う「イド・アル=フィトル」ともなれば、構内には3万人が集まる。こんな光景が台北駅で見られるようになってすでに10年。当初、「人が集まりすぎて混雑する」との不満の声も聞こえたが、台湾ではすでに日常となった。

構内の一角を、6人のインドネシア人女性が占めていた。その中の一人で「全員が中部ジャワ州出身」と紹介してくれたアティックさん(33)は台湾北部・新竹市に住み、91歳の台湾人女性の介護をしている。電車で約1時間をかけて台北駅に来る。この日は仲間で台北市郊外・淡水(新北市)に住むエマさん(30)の誕生日を祝っていた。

エマさんは83歳で認知症の台湾人女性を介護中だ。「入浴の介助などさまざまなサポートをしている。おばあさんは体を自分で動かしづらいから、いつもそばにいるようにしている」と言う。仕事に対する不満はない。「淡水はきれいな街」と言い、毎日おばあさんを車いすに乗せて散歩し、一緒に淡水の景色を見ることが好きだと笑う。エマさんのような外国人の介護労働者は台湾人にとって見慣れた存在になった。

「月給は1万7000台湾ドル(約6万円)。十分働いた。地元に帰って家を建てたい」とインドネシア人女性のティナさん(33)は言う。また同じインドネシア人のビアさん(40)は「地元に帰っても仕事がなく、畑仕事ばかり。大学2年の息子が卒業するまで、とにかく台湾で働きたい」と話す。

台北駅の構内には、日曜日ごとに多くの外国人労働者が集まり休日を楽しむ

介護職では最長で14年の滞在が可能