週刊東洋経済 2019年1/12号
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外国人労働者の受け入れ拡大へと大きく舵を切ることになった。昨年の臨時国会で入管法改正案が成立し4月から施行される。政府は今後5年間で最大約34.5万人の受け入れを見込む。

改正案の中核となるのが新たな在留資格「特定技能」の創設だ。従来は専門的・技術的分野に限定された就労目的の在留資格が、単純労働にも広がり永住への道を開くもので、従来の方針を一大転換するものだ。長らく政府は、「単純労働の受け入れについては十分慎重に対応する」「労働者不足への対応として外国人労働者の受け入れを考えることは適切ではない」といった建前を貫いてきた。

だが少子高齢化が進む中、人手不足は深刻化の一途をたどる。とりわけ医療・福祉や建設など特定業種での不足が著しい。現在、こうした人手不足産業の現場を日本人に代わって担っているのが、「技能実習生」や「留学生」たちだ。

問題山積の現行制度 新資格は永住も可能に

外国人労働者数は右肩上がりで増加しているが、在留資格別で見るとそのうちの4割を技能実習と留学が占めている。ただ、技能実習は技術移転による国際貢献、留学は学習が目的であり、労働力不足の解消とは趣旨が異なる。

また技能実習の現場では深刻な人権侵害も後を絶たず(→関連記事へ)、留学生を食い物にする悪質な日本語学校も少なくない(→関連記事へ)。技能実習生は2017年までの8年間で174人が死亡している。業務上の事故だけでなく、過労死が疑われるケースもあるという。