今上天皇が間もなく退位し、平成が終わる。元号に込められた「平(たい)らかに成(な)る」との願いもむなしく、この時代は日本で災害が多発し社会的には階層化が進んだ。天皇と時代との関係をどう見るか。片山杜秀氏に聞いた。

かたやま・もりひで●1963年生まれ。慶大法学部教授。専門は政治思想史。最近の著作に『平成精神史 天皇・災害・ナショナリズム』『ベートーヴェンを聴けば世界史がわかる』。(撮影:風間仁一郎)

──日本人はこの30年間を「平成時代」として記憶していくのでしょうか。

天皇の代替わりと元号をリンクさせる「一世一元(いっせいいちげん)」は明治政府が導入した。元号を通じて国民は運命共同体の意識を持ち、時代の気分を共有する。これが一世一元のマジックだ。多くの人にとって平成の時代は、今上天皇と関連づけられ記憶されるはずだ。今回の代替わりが特異なのは、天皇ご自身の意思で退位し、自ら時代に区切りをつけるという点である。

──自ら退位を望むことは国民の誰もが想像していませんでした。