(イラスト:ソリマチアキラ)

秋が足早に過ぎていき、いつのまにか師走、そして慌ただしく新年を迎える。世の中も季節も、なんとなくせっかちなご時世だ。シーズンオフになるとゴルフをする機会が増えるが、ゴルフの気持ちまでせっかちになっている自分に気がつく。

「悠々として急げ」というのは、中部銀次郎さんがプレーをするときの心構えであり、実践していた言葉でもある。開高健の名著の題名からだ。

この間、下関ゴルフ倶楽部でプレーする機会があったが、そこは中部さんが中学・高校生時代によくプレーをしていたコースである。シーサイドにあって、林間コースだ。少しでも曲げると密集する木々にはまってしまうし、グリーンがかなり小さく、しかもグリーンの奥は狭い。正確なティーショット、その距離範囲内で留めるショットなど、基本的なゴルフゲームの要素がすべて含まれているコースだった。