ささき・とおる●2015年6月から現職。03年4月からJPモルガン・チェース銀行でFXストラテジストとして金融市場を調査・分析。その前は日本銀行に勤務、調査統計局などを経て、国際局(当時)為替課で為替市場介入を担当、ニューヨークで米国金融市場分析も担当した。(撮影:今 祥雄)

世界的に株価の軟調地合いが続き、経済指標も予想を下回ることが多くなっている状況下、来年の世界経済に対して弱気な見方が徐々に増えてきている。

JPモルガンも市場のセンチメントの悪化や、米中貿易摩擦等の地政学的リスクの存在などから、それほど来年の見通しに楽観的なわけではないが、それでも経済のファンダメンタルズが基本的に良好であることから、来年も世界全体で3%台の成長を維持すると予想している。世界の潜在成長率は2.6%程度とみられていることから、それよりは高い成長率が続くとの見立てだ。

筆者もマーケットは世界経済に対してやや悲観的すぎるのではないかと感じている。たとえば、現在、米国、日本、ユーロ圏、英国のいわゆるG4通貨国の実質政策金利はすべてマイナスである。リーマンショック前の米国、ユーロ圏、英国の実質政策金利はプラス3〜4%だったことを考えると、現在の金融政策は依然として緩和的であるといえる。