日本銀行のマイナス金利政策を背景に厳しい経営環境が続いている銀行業界。フィンテックが台頭し異業種からの新規参入も相次ぐ中、どのように変化を乗り越えていくのか。メガバンクの一角を占めるみずほフィナンシャルグループ(FG)の坂井辰史社長に、金融業界の行方を聞いた。

さかい・たつふみ●1959年生まれ。84年東京大学法学部卒業後、日本興業銀行(現・みずほ銀行)入行。みずほ銀行国際ユニット長、みずほ証券社長などを経て2018年4月から現職。(撮影:大澤 誠)

──銀行を取り巻く事業環境が大きく変わっています。

金融機関は今、三つの変化に直面している。一つ目は少子高齢化だ。足元のマイナス金利も高齢化による人口減少が遠因ではないかと考えている。戦後の高度経済成長期に確立してきた、利ザヤと国債運用というビジネスモデルが転換を迫られている。

二つ目はグローバル化だ。前回の金融危機後はアジアが世界経済の牽引役となった。今後の数十年を見ても、アジアはさらなる成長が期待できる。三つ目は急速な技術進歩によるデジタル化だ。

この三つの流れにどう対応し構造改革に取り組むかが、金融機関に求められている。

──変化への対応策は。

みずほFGとしては2017年11月に「抜本的構造改革への取り組み」を発表した。内容は組織・人員のスリム化、共同店舗化などだ。19年度は次期システムへの移行も終了し、構造改革への取り組みを本格化していく。

まず一つ目の変化である高齢化に対応して、20年度までに全支店を銀・信・証(銀行、信託銀行、証券)の共同店舗とする「ワンストップ化」を進める。