前回のW杯でラグビー強国の一角、南アフリカを撃破。「ジャイアント・キリング」と称され、ラグビー界に大きな衝撃を与えた。あれから3年余り。当時のエディ・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)のサポート役として手腕を発揮した岩渕健輔氏に、日本代表チームへの思いを聞いた。

いわぶち・けんすけ●青山学院大学在学時から日本代表としてプレー。神戸製鋼や英国、フランスなどのチームでも活躍。現在は男女7人制ラグビー日本代表総監督、男子チームヘッドコーチを務める。(時事)

──日本代表の最近の戦いぶりをどう見ていますか。

引き出しを多くしようという姿勢がうかがえる。対戦相手に対してあらゆる可能性を試そうとしているように思う。キックを織り交ぜるといった戦略面だけの話ではない。選手の起用の面にも当てはまる。それができるのは、前回のW杯後、サンウルブズを結成してスーパーラグビーに参戦した成果だ。前回のW杯のメンバーにはニュージーランドのオールブラックスと戦ったことのある選手が多くなかった。

ところが、現在の日本代表はサンウルブズの一員として、オールブラックスはじめ南半球の強豪国の代表に名を連ねる選手との試合経験を数多く積んでいる。その結果、一人ひとりのレベルが向上し、選手層が厚くなった。エディ・ジョーンズHC率いる代表チームは一部の決めた選手をいかに強化するかという点に力を注いでいた。高いレベルで戦える選手は30人程度だったが、今は50人ぐらいいる。多少ケガ人が出ても、チーム力があまり落ちない。当時より地力は間違いなくついてきている。