2期目を務める日本銀行の黒田東彦総裁。会見では「強力な金融緩和を粘り強く続けていく」と今も同じせりふを繰り返すが、実際に取っている政策は、着実に出口へのステップを踏んでいる。

最も象徴的なのは2018年7月に行われた政策の調整だ。表向きはフォワードガイダンス(政策の見通しを示す)として、金融緩和の持続性を高めるための「枠組み強化」をうたいながら、0%に誘導している長期金利の変動容認幅を従来の上下0.1%から「倍程度(上下0.2%)」とした。

16年9月にイールドカーブコントロールを導入して以降、日銀は国債買い入れの規模を実質的に縮小してきた。年間80兆円をメドとする、との看板はそのままで、実際の買い入れ額は50兆円程度(17年度)だ。これを「ステルステーパリング」とするなら、金利上昇を容認する18年の修正は「ステルス利上げ」だった。