3〜5歳児保育で、1日最大11時間の利用が無償化される(撮影:今井康一)

2019年10月から幼児教育・保育の無償化がスタートする。安倍晋三政権が消費増税の使途を一部変更し、国の借金返済原資から振り替えた約8000億円の財源を使って実施するものだ。

この財政問題に加えて、別の大きな問題も抱える。今回の無償化は母親を働かせること(就業促進)の側面が強く、肝心要の幼児教育や保育の質の問題が置き去りになっている点だ。具体的に見ていこう。

無償化の内容は下表のとおり。3〜5歳児の保育(保育所や認定こども園)では、1日最大11時間の利用が無償化される。周知のとおり保育サービスの利用料は親の所得に応じた負担となっており、高所得層ほど負担は重くなる。国の基準では、月額10.1万円が最大値だ。

低所得層向けでは利用料の負担軽減策がすでに充実しており、今回の無償化は主に中高所得者に恩恵を与えると指摘されている。高所得者が最大で年約121万円の補助を受ける計算だ。