日本の高度成長の要因を描いた『ジャパン・アズ・ナンバーワン』で有名なエズラ・F・ヴォーゲル・米ハーバード大学名誉教授。日本では知日派との印象が強いが、鄧小平に関する著作があるなど中国語を駆使する“知中派”でもある。中国と日本の展望を同氏に聞いた。

Ezra Feivel Vogel●社会学を専門に日本、中国などを研究。1979年にベストセラー『ジャパン・アズ・ナンバーワン』を出版。同書は中国でも『日本第一』として翻訳本が人気。(撮影:梅谷秀司)

──今の中国をどのように見ていますか?

今の中国は第2次世界大戦前の日本に非常によく似ている。当時の日本は経済が成長し、軍隊が強くなった。日清、日露という国の命運を決める戦争にも勝った。その結果、国民に自信が生まれて愛国心が強くなり、国の指導者はそのような国民感情を抑えられなくなった。過信が第2次大戦の悲劇につながった。このような歴史の教訓を中国人も学んでほしい。

現在の中国も経済成長が続き、人民解放軍を増強し、愛国主義が強い。「われわれの実力をもってすれば、いろいろなことができるのではないか」という自負を持ち始めている。戦前の日本と同じような道を歩んでいるといえるだろう。