ゆとり教育が実施され、平成は子どもの学力低下が社会問題となった。学力向上が最大の課題だった時代は終わり、2020年には小学校から大学まで対象の大規模な教育改革を控える。通信教育を中心に教育業界を牽引するベネッセホールディングスの安達保社長に戦略を聞いた。

あだち・たもつ●1953年生まれ。東京大学工学部卒業。三菱商事、マッキンゼー・アンド・カンパニーなどを経て現職。カーライル・ジャパン・エルエルシーのシニアアドバイザー兼務。(撮影:梅谷秀司)

──教育業界はどのように変化しますか?

20年以降順次、新しい学習指導要領が実施され、「大学入学共通テスト」が始まる。平成を振り返ると、知識量重視の詰め込み教育への批判から「ゆとり教育」が実施されたものの、学力低下が問題になって再び学習内容が増加。11年以降は、詰め込み教育の時代とほぼ同等まで戻っている。

今回の教育改革では学習量は削らず、外国語や情報教育など新しい教育が次々に加わる。子どもと教える側の負担は大きい。文部科学省が掲げる理想と現実のギャップを埋めるために、民間のノウハウが生きる。国の整備だけではすべて賄えず、民間企業の手がさらに必要になるだろう。