2019年のラグビーワールドカップ、20年の東京五輪、25年の大阪万博など、国内の大型イベントに沸く旅行業界。ただ、業界に吹くのは順風ばかりではない。平成の30年間の振り返りと、今後の課題をJTB会長で業界団体・日本旅行業協会会長の田川博己氏に聞いた。

「交流を促し復興を支えるのが旅の力だ」

たがわ・ひろみ●1948年生まれ。71年に日本交通公社(現JTB)入社。社長を経て、2014年に会長。同年から日本旅行業協会会長。

1990年代はバブル崩壊に加え、91年の雲仙普賢岳の噴火、95年の阪神淡路大震災など、天災に見舞われて国内は苦しかった。だが、米国ビザが緩和されたこともあり、ハワイやグアム、西海岸への旅行者が増加。出国者数全体も毎年増え続け、旅行会社にとって大きな成長を遂げた時期となった。

ところが2000年代の10年は、米国で同時多発テロ事件が起き、海外旅行者が一時的に激減、米軍基地がある沖縄の修学旅行は9割以上がキャンセルとなった。SARS(重症急性呼吸器症候群)の流行もあり風評被害とどう向き合うかを学んだ。