「とりあえずビール」。そんなフレーズも平成の後半には聞くことが少なくなった。ビール業界トップ、アサヒグループホールディングスの小路明善社長に課題と活路を聞いた。

こうじ・あきよし●1951年生まれ。75年青山学院大学法学部卒業、同年アサヒビール入社。人事戦略部長などを経て、2011年に同社社長に就任。18年3月から現職。(撮影:田所千代美)

──ビール業界にとっての平成とはどのような時代でしたか?

一言でいえば激動の時代だった。ビールの課税出荷数量が過去最高を記録したのが平成6(1994)年。以降は消費者のビール離れが続き2018年に過去最低を更新した。最高から最低までを経験したのが平成という時代だ。

当社の歴史にとっても非常に大きな時代だった。現在の大黒柱である「スーパードライ」は87年に発売し、3年後には1億ケースを突破した。発売前にはシェア10%ほどしかない3位メーカーだったが、これをきっかけに首位に立つことができた。

出荷数量はその後2億ケース近くまで伸びたものの、17年度には1億ケースを割り込んだ。昨今の居酒屋業界の厳しさや消費者の嗜好が多様化していることを考えれば致し方ないことだ。