ポスト平成の国内食品市場は人口減少や少子高齢化で縮小が顕著になると予想される。食品企業はどう生き残りを図るのか。ネスレ日本社長、高岡浩三氏に聞いた。

たかおか・こうぞう●1960年生まれ。83年神戸大学経営学部卒業、同年ネスレ日本入社。菓子事業子会社のマーケティング本部長、社長を経て、2010年から現職。(撮影:尾形文繁)

──平成を振り返って、食品業界はどう変化してきましたか?

平成は、インターネットの広がりによる第3次産業革命でスタートした。食品や飲料はITやインターネットとは縁遠いように感じがちだが、EC(ネット通販)を意識せざるをえなくなった。商品のイノベーションはほとんど起きなかったが、ITを使ったビジネスモデルの変革が相次いだ。

──消費者の生活環境もこの30年間で大きく変わりました。

平成に入り、単身世帯が増え、家庭内での消費が激減した。個食化が進み、家族での大量消費を前提にした食品業界のビジネスへのインパクトは大きかった。しょうゆの売れ筋が大容量のPETボトルから小容量品にシフトしているように、新しい現実に対応した製品は支持されるようになっている。こうした流れは次の時代でも加速していく。