百貨店業界の売上高はピークだった1991年の約9兆7000億円から、2017年には約5兆9000億円にまで落ち込んだ。苦難が想定される「ポスト平成」の時代をどう乗り越えるのか。不動産賃貸型のビジネスモデルを推進するなど、業界の先行きを見据えて改革を断行してきたJ.フロント リテイリングの山本良一社長に聞いた。

やまもと・りょういち●1951年生まれ。明治大学商学部卒業。73年大丸入社。2001年大丸理事本社百貨店業務本部営業改革推進室長、03年大丸グループ本社百貨店事業本部商品ネットワーク推進部長、同年に大丸社長。13年4月から現職。(撮影:尾形文繁)

──百貨店業界にとって、平成は激動の時代でした。

売り上げの面では非常に厳しい時代だった。百貨店の売上高は今や、ピーク時の6割程度の水準だ。顧客の価値観が多様化し、また顧客が大量の情報にアクセスできるようになったことなどを背景に、百貨店は売り上げをスーパーマーケットに抜かれ、コンビニエンスストアに追い越され、そしてEC(ネット通販)にも抜かれた。

一方で「変革の時代」でもあったと言える。利幅の薄い商売を整理し、収益性が高い分野へ進出、構造を変えてきた。従来の「買い取り仕入れ」から「売り上げ仕入れ」(商品が売れた時点で仕入れも計上する)へと取引形態を転換し、今ではテナントからの賃料を軸とする不動産型のビジネスも打ち出している。

大丸と松坂屋が07年に、伊勢丹と三越が08年に統合するなど業界の再編も起こった。

地産地消を意識して地方店を立て直しへ

──百貨店がこれから収益を上げていくために必要なことは?