会見で握手するトヨタの豊田社長(右)とソフトバンクの孫会長(撮影:風間仁一郎)

自動車業界は100年に1度の大変革期に突入している。エンジンなどの性能や販売台数を競う時代から、新たな移動サービスを提供するCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)へと競争の軸足が移行。2019年は異業種を交えた覇権争いが一段と激化しそうだ。

すでに前哨戦は始まっている。18年10月、自動運転技術など新しいモビリティサービスで手を組んだ、トヨタ自動車とソフトバンクグループの動きだ。両社は配車サービスなどを手掛ける新会社「モネ テクノロジーズ」を設立し、18年度中に事業を開始。将来はライドシェアなども展開していく。企業文化や歴史のほか経営スピードまでが違う、まさに“水と油”の巨人同士を近づけたのは、トヨタ側の危機感にほかならない。

ソフトバンクに出遅れ危機感募らせていた

「車を造る会社からモビリティサービス会社に変わる」。トヨタの豊田章男社長は18年1月に、テクノロジー企業の展示会として有名な米国のエレクトロニクスショー「CES」に初めて登壇して、そう宣言。会場ではライドシェアなどに活用する電動の完全自動運転車「イーパレット コンセプト」を発表。これまで名指しでライバル視してきた米アマゾンと提携したほか、中国のライドシェア大手、滴滴出行(ディディ)とも手を結んだ。

さらに同年6月には東南アジアでライドシェア最大手のグラブへの10億ドルの巨額出資を発表。続く8月には、ライドシェア世界最大手の米ウーバー・テクノロジーズとの提携強化も発表して、5億ドルを追加出資。21年に両社の自動運転技術を搭載したライドシェア車両をウーバーのサービスに導入する予定だ。