きうち・たかひで●1987年から野村総合研究所所属。日本経済の分析、ドイツ、米国で欧米の経済分析を担当。2004年野村証券に転籍、07年経済調査部長兼チーフエコノミスト。12年7月から17年7月まで日本銀行政策委員会審議委員、この間独自の視点で提案を行う。17年7月から現職。(撮影:尾形文繁)

2019年に入ると、FRB(米国連邦準備制度理事会)の政策姿勢は一変する可能性が高い。

過去1年間、FRBは年8回開かれるFOMC(米国連邦公開市場委員会)で、1回置きに着実に、0.25%の政策金利引き上げを実施してきた。政策金利が経済に中立的な水準に達しない中では、こうした予見可能性の高い政策運営ができた。しかし、パウエル議長は、足元で政策金利が中立水準に近づいてきた、との判断を示唆した。今までの金融政策が19年も続くと決め付けないようにと、市場に注意を促したのである。

これまでの金融市場では、FOMCの示している政策金利の中長期均衡値の見通しが3%程度であることから、その水準あたりまでは、一定ペースで政策金利の引き上げが続く、との見方も相応にあった。だが、政策金利が中立の領域に入ってきたとFRBが判断したのだとすれば、今後の政策運営は、経済、金融環境次第で決まるという傾向が強まるはずだ。