税の支払いを拒否し、何万という仕事を消滅させながら、事業革新の神とあがめられている──。歯にきぬ着せぬ論評でGAFAを斬るのが、ニューヨーク大学スターン経営大学院教授のスコット・ギャロウェイ氏だ。その著書『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』(小社刊)は世界22カ国で刊行、話題となっている。

the four GAFA 四騎士が創り変えた世界
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「成功するビジネスはどれも、体の三つの部位のどれかに訴えかけるものだ」と、ギャロウェイ氏は持論を展開する。三つの部位とは脳、心、性器。下図で詳述するように、理性、感情、生存本能をつかさどる部位といえる。

GAFAの中で脳を刺激するのは、グーグルとアマゾンのサービスだ。

「グーグルは脳に話しかけ、それを補足し、長期記憶をほぼ無限のレベルにまで増幅させる」。グーグル検索を使えば、インターネット上にある世界中の情報を過去のものも含めて瞬時に探すことができる。さらに検索ワードなどから、その人が興味を持ちそうなことを推測して提示までしてくれる。自分は前より賢くなったと思わせてくれるグーグルのサービスを、脳は愛さずにいられない。

アマゾンのアプローチはグーグルとは異なる。厳しい自然環境下で生きてきた人類にとって、よりよい道具を持つことは生存のカギだった。その結果、「大昔から私たちは、より多くのものを持つほど、より大きな安心と成功を手にしていると感じる」。アマゾンを使えば、多くの商品やサービスを手軽に安く手に入れることができる。その利便性が人々の狩猟・採集本能をくすぐるのだ。

他方、フェイスブックは、一人では生きられない人間の心に訴えかける。友人や知人など他者とのつながりを深めるため、世界中の利用者が属性(性別、年齢、学歴など)を自ら明らかにし、日々の行動などを書き込んでいる。自分のデータが広告などに利用されるとわかっていても、だ。

「より強力なマルチメディアのコミュニケーション手段を提供することで、より多くの人々へとつながりを拡大する」。フェイスブックが2012年に買収したインスタグラムは、写真で手軽にコミュニケーションできることが人々に受けた。コミュニケーション手段は動画へと移りつつあるが、他者とのつながりを求める人々の心は変わることがないだろう。

脳から体の下へと標的を変えたアップル

“Think different(発想を変える)”。1997年に採用した広告スローガンからもわかるように、アップルはもともと脳に訴えるビジネスをしていた。しかし同社は狙いを体のもっと下、つまり心、そして性器へと移していった。