【今週の眼】早川英男 富士通総研エグゼクティブ・フェロー
はやかわ・ひでお●1954年生まれ、愛知県出身。東京大学経済学部卒。米プリンストン大学経済学大学院にて修士号取得。77年日本銀行に入行後、長年にわたって主に経済調査に携わる。調査統計局長、名古屋支店長、理事などを歴任し、2013年4月から現職。著書に『金融政策の「誤解」』。(撮影:梅谷秀司)

今年2月17日号の本欄「『官邸主導』の歪みを正すには」で、安倍一強下で政策決定が密室化した結果、目的と手段の整合性を欠いた拙速な政策判断が増えているとの懸念を筆者は述べた。しかし、その後事態はさらに悪化しているようだ。論点は多々あるが、外国人労働者の受け入れ拡大と消費増税対策としてのポイント還元に絞って、問題を指摘したい。

外国人労働者受け入れ拡大については、まず従来の政策との整合性が問われる。アベノミクスはデフレ脱却を目標に大胆な金融緩和と財政拡張を続け、雇用増加を最大の成果として誇ってきたはずだ。その結果としての人手不足は「対策」を要する問題なのか。目先の人手不足が問題なら、リフレ策の程度を緩めれば済む。安易な外国人労働者受け入れは、デフレ脱却を遠のかせるのではないか。