英国の国会議員は今、人生最大の決断を迫られている。選択肢は三つ。メイ首相が欧州連合(EU)と合意した離脱案を認めるか、無秩序離脱に突き進むか、いっそ離脱をやめにするか、だ。ちなみに最新の世論調査ではEU残留を望む声が過半数を占めた。

EU離脱をめぐる国民投票を行ったのはキャメロン前首相だ。保守党内の強硬派を黙らせようと賭けに出たのだ。だがもくろみは崩れ辞任。離脱を決した国民投票の結果をどう解釈するかという厄介な仕事が後任のメイ氏に託された。

当初から三つの要素がメイ氏の仕事を難しくしてきた。まず、離脱派が虚妄だらけの公約を掲げてきた点だ。離脱は簡単で、しかも英国はいいとこ取りできると離脱派は請け合っていた。だがEUは、加盟国としての義務を受け入れない国が恩典をフルに享受することは許さない、と一歩も譲らない。